知っていますか? ヤングケアラー

「ケアを担う若者たちの声を聴こう!」実行委員会の調査から

ヤングケアラーとは、「家族にケアを要する人がいる場合に、大人が担うようなケア責任を引き受け、家事や家族の世話、介護、感情面のサポートなどを行っている18歳未満の子ども」のことです。私たちの身近にもヤングケアラー・若者ケアラーが存在するのではないかと考え、江戸川では実行委員会を立ち上げ、介護を担う子どもや若者の実態を調査しました。

江戸川区では2020年の4月に児童相談所を開設しました。かつて一人の子どもの命を救えなかった苦い経験から、子どもの最善の利益を考えた運営をめざしています。

また、子どもが心身ともに健康で、自分らしく育つためには「子どもが権利の主体である」ということを、子どもも大人もすべての人がわかることが必要です。私たち江戸川ネットでは、設立当初より、子どもの権利条例の策定を区に求めてきましたが、ようやく子どもが参画する形で子どもの権利条例の策定が、現実となります。

このような区の動きがある中、江戸川ネットの福祉部会では、ヤングケアラー支援についての議論を深めていました。福祉の現場に関わっている部会のメンバーは、在宅介護が推進されるこ

2019年11月開催の学習会

とで、要介護者を抱えた家族の負担が大きくなっていることを感じていました。

そこで2019年11月、「ケアを担う若者たちの声を聴こう!」実行委員会を立ち上げ、介護を担う子どもや若者の実態調査を行うことにしました。 学校教育・医療・福祉の現場で働く340名から回答を得、多数の行政職員の参加もありました。その内の48.2%にあたる164人が、現在または過去において、自分の関わった子どもや若者の中に、あるいは家庭に「介護を担う子どもや若者がいる、いた」と回答しました。 調査に参加した人の2人に1人が、ケアを担う子どもや若者の存在を認識していたことになります。また、ケアを担うことでの影響については、137人の有効回答者の内、特に影響がないと答えたのは11人に留まり、回答者の92.0%は精神面への影響や、学校を休むなどの生活への影響があると回答しています。

介護を担う子どもや若者は、家族の手伝いをしている「良い子」と見られていたり、当人も自分が育っている家庭がすべてであり、自分の置かれている状況に気が付かず声を上げることができないため、その存在を見えにくくしていると言われています。今回の調査も、実態の一部を明らかにしたに過ぎません。

子どもや若者が、その権利を尊重され、それぞれの時期を自分らしく生きられるように、各自治体でケアを担う子どもや若者が置かれている状況を丁寧に調査し、必要な支援を行うべきだと考えます。

「ヤングケアラー」の特集 「それゆけ!119号」 は こちらからhttps://edogawa.seikatsusha.me/blog/2020/10/28/6473/