コロナ対策で航空便数減、でも騒音は変わらない ~羽田空港増便問題~
この3月29日(日)から開始された北風時の離陸便が荒川の上を通ることになり、荒川沿いに住んでいる江戸川区民としては、騒音などはどのように変化するのかと思っていましたが、荒川からは500mほど離れている江戸川ネットの事務所でも、かなりの音量です。
松江にある中学でも、子どもたちは「結構うるさいよ」、小松川のマンションに住んでいる住民の方からは「朝は目覚ましになるくらいうるさい」という声も聞かれます。その一方で、二重サッシの住宅にお住いの方は「まったく気にならない」とおっしゃいます。新型コロナ感染症対策で換気の必要性が言われている今は、窓を開けることも必要です。都心の着陸便の騒音に比べたら、そうでもないとおっしゃるかもしれませんが、比較の問題ではありません。
コロナ騒ぎで、国内線は約5割、国際線は8割もの減便と報道されていますが、それでも5~6分間隔、短いときには2~3分おきくらいに、飛んでいます。通常運航に戻ったら、夏は南風が6割、冬は北風が8割ということなので、夏には着陸便、冬は離陸便が江戸川区の上をさらに短い間隔で飛ぶことになるわけです。もちろん、江戸川区の上を飛ばなければよいというものではありません。
先月、3月28日も全日空の飛行機がパネルを落としたまま飛行していたことが発覚したばかりです。国土交通省の発表では、飛行後の点検で、航空機から部品が無くなっていることが確認されたケースは、2018年度の1年間で489件ありました。このうち重さが1キロ以上の物だけで8件あったのです。これまでは東京湾上空を飛行していたので、落下物の多くは、海などに落下したとみられますが、成田空港の周辺では落下したバネや機体からはがれた氷の塊などで、農業用ハウスや屋根瓦が壊れるなどの被害が2018年度までの10年間で23件確認されたということです。都心の住宅密集地の上空を通過するときには、あってはならないことです。
国土交通省航空局は「住民の不安を払拭できるよう、騒音や落下物の対策に最大限、取り組んでいく」と話していますが、都心上空を低空飛行で着陸する機体への不安、騒音など払拭できるものではありません。なぜ、離発着便を1時間に10本も増やす必要があるのでしょうか?学習会の講師で元パイロットの方は、東京湾上空を通過する方法でも、管制官とパイロットの技術で、同じくらいの便数に対応することは可能だと、おっしゃっていました。都心の密集地で何か起きてからでは遅いのです。やはり、この新しい航路は見直すべきです。