決算特別委員会総括意見で区長に反論

2012年10月23日 11時19分 | カテゴリー: トピックス

17日の総括意見を全文掲載します。土木費審査における区長の発言に対し、意見のなかで反論しました。合わせて、新村いく子稲宮須美のHPもご覧ください。

2011年度江戸川区一般会計歳入歳出及び各特別会計の歳入歳出決算において、民主・ネットの総括意見を申し上げます。

昨年3月11日に起きた東日本大震災から、1年7ヵ月が過ぎました。がれき処理、高台移転、就労支援など課題を多く抱えている被災地の復興はまだまだ先の見えない状況にあります。耐震・防災関連など、必要な執行だったものもありますが、復興予算と命名されながら、復興に関係ない分野で執行されたことへの批判が高まっています。このような事態にならないためにも、税金が適正に使われるように監視するのが議会の役目です。江戸川区における財政状況、適正な執行について、私たち議会はしっかりとチェックをしていかなければならないと考えます。

歳入においては、その2割を占める特別区税の減少、財政調整交付金の減額など、もともと自主財源率の低い江戸川区にとっては数年厳しい状況が続いています。長引く不況で、4年連続増え続けている非課税者数は16万人を超えています。扶助費の増加などで行政需要も増加の一途をたどっています。積立基金の残高は1,020億円で前年度より31億2000万円の減額となりました。今年度を入れると3年連続、合計で約400億円の基金を取り崩していますが、住民へのサービス低下を招くことのないように、区が取り組んでいる結果の表れであると考えます。このような観点から、私たちの会派は2011年度江戸川区一般会計歳入歳出及び各特別会計の歳入歳出決算について、それぞれ認定いたします。

以下、審査の過程で述べてまいりました課題と区民の需要とに応えるために、主なものにつきまして、意見を申し述べさせていただきます。 

はじめに総務費について申し上げます。まず、指定管理者制度についてです。総務省が公表している「公の施設の指定管理者制度の導入状況等に関する調査結果」によれば、指定の取り消しや業務停止に至るケースも少なからず見受けられます。自治体がどのような目的・目標を設定するかに応じて使いこなしができる、一定程度の柔軟さを有することを強みとした制度である以上、こうした結果を招かないためにも、制度の目的に合致する運用ができるよう、しくみを整えることも必要です。議会の役割が指定のプロセスに入ったことは、公共性を担保するうえでの重要要件となっていますが、本制度導入に係る基本方針や運用ガイドラインの策定、充実したモニタリング制度の導入やその公開など、個々の施設の運営についての要網などとは別に、本制度に対する区の考え、取り組み方針を明文化しておくべきと考えます。

また、中央図書館への指定管理者制度導入については、個別の設置目的を改めて確認し、その目的を効果的に達成するために最適な制度かどうかを慎重に判断すべきであると申し上げます。 

広報費については、江戸川区の情報発信力を高めるために、さらなるソーシャルメディアを活用した積極的な広報活動と「広報えどがわ」をはじめとした区発行の紙情報の電子書籍化も今後進めていくことを望みます。 

区民生活費について申し上げます。就労支援関係費については、若者の就労支援に関して、自力での就労が難しい若者のための「ヤングほっとワークえどがわ」や「若者きずな塾」をはじめとした、かかる経費のみでは、測ることのできない、区独自の就労支援策をさらに充実していくことを望みます。 

年金受給について、今年8月に事後納付が2年から10年に延長された「年金確保支援法」が成立しました。しかし、これまで、国民年金等の受給資格が25年以上の納付となっていますが、さらに、これを10年に切り替えようという法律案も検討されています。無年金者をなくし、納付しやすくするための法改正を国に求めることを要望します。 

続いて環境費について申し上げます。

ごみ収集車については、災害時、清掃事務所に配置されている軽油の備蓄燃料を使い、ごみ収集車を最大限に利活用できるよう、今後、区保有のごみ収集車買い替えの際は、ディーゼル車の購入を積極的にすすめるべきです。 

住民が協働して行う再生可能エネルギーの取り組みは、「市民立」の発電所となり、エネルギーの地産地消、コンパクトなスマートグリッドの実現につながります。省エネナビを利用して、区民に節電の意識を啓発すると同時に、再生可能エネルギーの全量買い取り制度スタートを機に、区内に太陽光パネルを増やす取り組みの支援を要望します。 

次に福祉費について申し上げます。

生活保護制度に関しては、現在社会保障審議会の特別部会が「生活支援戦略」について議論をしているところです。福祉事務所が必要と判断した場合、領収書の保存や家計簿の作成をすることなども議論の対象になっていますが、本当に生活に困窮している人たちへの支援と一体的に進めていくべきと考えます。

「障害者優先調達法」の施行に向けては、自治体がこれまでほとんど取り組んでこなかった障がい者施設からの物品の調達や業務の委託などをすすめ、障がい者の就労、さらに所得の向上に向け、区としての責務を果たすことを求めるものです。 

次に土木費について申し上げます。

まず、危機管理についてです。東日本大震災のあと区が策定した「緊急災害対策」には、東京都などとの連携による放射線量測定結果の公表が盛り込まれました。今なお続く低線量被ばくの影響は、今後どのような形で出てくるかわからない状況にあり、国や都だけでなく、住民に最も身近な自治体としても、引き続き対策を講じていくことが必要です。学校などの土壌、給食食材および学校菜園で採れた野菜などの放射線量の測定を求めると同時に、放射能関連情報についての一元化を強化し、適切に情報を公開することを求めます。 

駐車駐輪対策費については、自転車運転マナーの向上に関して受講すると、駐輪場の優先利用ができる仕組みなどと連携させ、通勤通学で自転車利用をする方たちにも積極的に交通安全教室に参加していただく仕組みを作っていくことを望みます。

また、今後の地域と連携した夜間駅前の放置自転車対策の強化に期待します。

 スーパー堤防事業と一体の北小岩1丁目東部地区区画整理事業について申し上げます。東日本大震災で盛土の危険性が改めて認識されたことで、盛土の上にできたまちに住むことに当該住民の不安はさらに増しています。防災の観点から、対策を急ぐならば、時間もコストもかかる上に治水の効果は未知数であるスーパー堤防に固執するのではなく、計画されているすべての緩傾斜堤防を整備する、また、短期間でできる他の堤防強化策を講じるなど、現実的な対応をとるべきと申し上げます。 

本事業についての質疑の際、区長は「専門家を信用し、素人は信用しない。」と発言しました。どのようなことがらにも、賛成の立場と反対の立場の専門家がいます。「原子力ムラ」に象徴されるように、推進派となる専門家の研究費は、その事業の恩恵を受ける事業者などから出ており、事業を否定することなどはまずなく、結果、行政側には重用される構図になっています。一方、素人と言えども、熱心に研究を重ね、専門家や行政に引けをとらない知識や見識を有する人もいます。いかに専門家の意見を聞いたところで、権利者をはじめとする当該住民の反対にあっては、ことはすすむべくもありません。まちづくりの主役は住民であり、行政としては、区民の意見と専門家の意見を等しく尊重する姿勢が重要であると改めて申し上げます。

 教育費について申し上げます。

平成18年に作成された「いじめ対策実践プログラム」を、教育委員会は、今年度新たに見直し、リスタートさせました。学校における利活用と教職員の人権感覚の向上を強く要望いたします。

 区の今後の事業見直しには、長年、独自の重要施策として実施してきた子ども施策も含まれました。給食費を保護者の全額負担とする方向性が示されていることについては、調理業務民間委託の際の約束事のひとつ、保護者への負担を増やさない、としたことを反故にするものと言えます。これまでの負担軽減策がなくなれば、就学援助ギリギリという多くの家庭、特に子どもの多い家庭には影響が大きく、滞納が増える可能性もあり、想定される課題への解決策を提示することも必要だと考えます。段階的な見直しや、私費扱いの給食費の公費化の検討なども含め、充分に時間をかけて検討すべきと申し上げます。 

すくすくスクールについては、学校側とクラブマネージャー、サポートセンターの協力体制ができているところでは、スムーズで特徴的な運営ができています。クラブマネージャーは、その中心的存在となり、地域とのパイプ役としての大きな役割を担う立場にあります。クラブマネージャーの役割を改めて評価した上で、その処遇を考えていくべきです。

今回の質疑を通して、区の情報提供のあり方については改善が必要であると感じています。サービスに満足すればそれでよいという考えは、行政の判断であって、区民が知りたいと思ったときに情報を入手する手段がないことに問題があることを、区は認識するべきです。知った上で判断するのは住民です。「区民との協働」の基本となる情報共有については、丁寧に行うよう要望いたします。 

厳しい財政状況のもと、大幅な施策の見直しが現在行われている中、賛否を含めて様々な意見があります。私たち議員は、住民の意見を行政につなぐために、現場の声を聞き、専門家ともつながり、充分な調査研究を重ねて本会議や委員会に臨んでいます。区の施策について、良いものは進め、そうでないと判断したときには、その意見をぶつけることも議会の役目です。たとえそれが少数の声であったり、区の意にそぐわないものだったとしても真摯に耳を傾け、意見には意見をもって対応することを心掛けていただくよう、二元代表制の一翼を担っている議会の一会派として、強く望むこと申し上げ、民主・ネットの総括意見といたします。