区立幼稚園廃園をめぐる区の姿勢を問う

2011年10月19日 15時18分 | カテゴリー: トピックス

新村いく子が総括質問・決算特別委員会最終日

 教育費審査で取り上げた区立鹿本幼稚園に関連し、区の方針について、確認も含め、4点質問する。

 区立幼稚園廃園の第一号となった松江幼稚園の廃園は、2005年4月、都立東小松川母子アパートの老朽化に伴い、その1階にある東小松川保育園の移転先として転用するためのやむを得ない廃園だったことを一昨日の審議で確認した。

 この年の決算特別委員会で当時の教育次長が「入園希望者は近隣の区立幼稚園で対応可能。女性の社会進出、保育需要が多くなることが予想される。区立幼稚園も保育園も同じ江戸川区全体の子どもの幸せのため、保育園に転用する。区立幼稚園全体の話ではない」と明言。また、区長も「保育園の土地がない、窮余の一策」だと答弁した。しかし、今回の審査において区長は「私立幼稚園に依存してきたから、子どもが減れば、区立を廃止する」と答弁している。

質問①当時説明していた幼稚園全体におよぶことではない、という考えが変わったのはいつなのか、またその理由を伺う。

教育長答弁)考えが変わったのではなく、その時々の状況や園ごとの状況が異なっている。

 2年前の小岩第一幼育園廃園決定については「応募人数が極端に少なかったことと、今後の見通しも楽観できないことからの、苦渋の決断である」と教育委員会は説明、保護者への説明会は、廃園の1年半前の9月28日行われた。小岩第一幼稚園の募集は行わないという説明つきでの園児募集を掲載した「広報えどがわ」の発行が10月20日と、1ヵ月もない時期での説明だった。議会への報告は、保護者に説明したあとのことで、議会も保護者からの相談で、事態を初めて認識したという経緯がある。これについて、教育委員会は議会への情報提供が後手に回ったことを認めた。

 私たちは、以前から、区立幼稚園の方針について、区民に示すことを求めてきた。先の松江、小岩第一の2園に関しても、そうした方針に基づくものではなかったと認識している。今回鹿本幼稚園の閉園発表にあたって、9月6日に緊急保護者会が開かれたものの、ひよこ組、ぴよぴよ組の未就園児の会の保護者、地域住民への説明がなかったとして、10月6日に再度説明会が行なわれた。議会に対しては相変わらず遅く、9月16日の文教委員会であった。

 保護者にしてみれば、突然の閉園を告げられ、唐突感があることは否めない。鹿本幼稚園には、登録している未就園児が200名以上いる。説明会では平成27年、30年に2園の区立幼稚園の廃園を予定していることも報告されたが、これも議会への対応は遅かった。どこを廃園するのか内定した時点で報告するのではなく、廃園に向けての検討の時期から、利用者を含めて区民と区とが一緒に話し合っていくことが必要だ。

 区立幼稚園では定員に満たない園が多いことは、もう何年も前からの事実。区が、松江幼稚園廃園を決めた時は、先に述べたように、園児の減少についての説明は一切なかったが、当時の松江のデータにおいても、定員210人に対して実際は86人と、園児は激減していた。区も当然このことを把握していながら、そのことをあえて理由にせず、区とは関係ないところでの理由を取り上げて、区民を説得した格好となった。少なくとも区民に見える形では、事実を公表してこなかった。

質問②突然廃園を報告することで、区民には区の説明が場当たり的で、当事者不在の中での決定として、不信感が強まっている。早い段階から、状況の分析を区民と共有し、区民の意見を求めつつ、区立幼稚園の方針を策定、公表すべきだったと考えるが、いかがか。

教育長答弁)地域の方々には適切な時期にきちんと説明してきた。

 区長の頭の中では、松江幼稚園廃園のときから、区立幼稚園の順次廃園はすでに描かれていた、ということが今回、答弁の端々から読み取れた。ならば、なぜ、当初から、その考えを示して、区民との話し合い、検討の場を設けてこなかったのか。こうした姿勢のなさが、区民との信頼関係を崩してしまっている大きな要因だと指摘する。

質問③鹿本幼稚園は発達障害対応の機能をもった施設に転用されるが、それは発達障害児の施設か、発達障害者の施設か?(委員会の中で、区長は「発達障害児のため」とし、所管課は「発達障害者」と説明したため、その確認のための質問)

福祉部長答弁)発達障害者のセンターを予定している。 

質問④小岩第一幼稚園は、隣接の小岩小学校の建て替え時期もあり、来年度からの利活用はまだ発表されていないが、幼児教育施設としての機能が整っている施設を有効活用すべきことは論をまたない。今後に向け、検討していることがあれば伺う。

教育長答弁)検討中であるが、当然その方向も考えている。

 今回の廃園に関し、区長からは「情ではわかる」という答弁が再三聞かれた。そうであれば、情ではない部分で、お互いに理解を深められる対応策を区として考えるべき。こうした姿勢を持った上で、幼児教育をどうしていくのか、また、総合的な子育て支援策のビジョンを区として持ち、区民と共有することが必要であると最後に申し上げ、総括質問を終わる。

*方針に関しての答弁は納得のいくものではありませんでしたが、総括質問は、一つの質問についての再質問はしない、との申し合わせがあり、詰めることができませんでした。区長答弁がなかったことも残念です。