江戸川ネットは3つの条例案に反対しました

第一回区議会定例会報告

●「江戸川区国民保護協議会条例」 (賛成多数で可決)
●「江戸川区国民保護対策本部及び緊急対処事態対策本部条例」 (賛成多数で可決)
  この2つの条例は、「武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律(国民保護法)」の施行に伴い制定されるものです。この法律は、有事関連7法のひとつとして2004年に制定されました。05年度内に都道府県が「国民保護計画」を、電力や放送、医療、運送事業者など指定公共機関が「国民保護業務計画」を、さらに06年度内には区市町村が「国民保護計画」を策定するよう謳っています。他者から武力攻撃を受けた場合と大規模テロ発生など2つの緊急対処事態を想定し、「平素・平常時」から「備え」を盛り込んだ計画を策定し、「訓練」を行なうというものです。
 私たちは、「有事」の住民避難計画や訓練などを政府が自治体に求めることで、日常事務の中に軍事が入り込み、それが平常化されることは自治権の侵害につながると考えます。「有事」が「戦時体制づくり」につながることを思うと、日常的な軍事化の恐れさえ感じます。また「有事」「戦争」となれば、自衛隊も米軍も、住民の避難より軍事作戦の方を優先させることが予想されます。法の趣旨には個人の権利の制限や侵害までもが想定され、日常生活においての規定がされることは、他の有事法制にはない、国民統制の意味合いがあることは否めません。「備え」が必要としても、「有事」に特化した協議会や対策本部をつくるのではなく、すでに設置されている災害対策に関する条例の中で対処できるのではと考えます。それがミサイルやゲリラ攻撃、化学テロなどの人為的なものであろうと、自然災害であろうと突発的な事態に変わりはなく、起きてしまった時点においてはどちらも災害であると言えないでしょうか。
 国は有事や武力攻撃事態に陥らないような外交こそを第一にすべきであり、自治体においては、従来の災害対策を十分に施し、対応していくことに力を注ぐべきです。よって、自治体が国の基本指針に従って画一的な計画をつくる必要はない、と考えます。

●「江戸川区議会議員定数条例」 (賛成多数で可決)
  この条例は、前期に2名の削減を決めた時に付帯意見として今期さらに2名削減を検討する、とされていたことにより、議会も率先して財政削減に協力するため、次期選挙から議員定数を2名削減し、44名にするというものです。
  しかし、66万の人口に対する地方自治法上の上限定数56人に照らしても、すでに23区最多の10人も削減しており、財政面だけで議員定数を議論してはなりません。先に議論すべきことは議会が市民からの信頼を得られる仕事をしているのか、議会の現状の評価と議会改革を第一にすべきではないでしょうか。
  財政削減と言うのであれば、委員会に出席するたびに報酬とは別に支給される費用弁償、審議会などの報酬、また、議員報酬に上乗せして支給される議長・副議長、委員会の委員長・副委員長の報酬の削減、廃止の議論をすべきです。
  向こう20年間、江戸川区の人口は増加すると見込まれています。独任制の首長に対し、合議制の議会は、多くの市民の意見が反映される場でなくてはなりません。この議決によってさまざまな立場の人々の議会参画が阻まれることがあってはならない、と考えます。

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