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2024年東京都知事選挙方針 2024年6月15日 東京・生活者ネットワーク
東京は1400万人が暮らす生活都市です。「政治とカネ」の問題で政治不信が募るなか、市民生活に重要な課題を都政はしっかりと捉えなければなりません。
2030年には、都内の高齢者の4割以上が単身世帯になると言われ、すでに介護職の大幅な不足が見込まれています。特に高齢単身者の多くは女性であり、貧困が問題になっています。女性の非正規労働の多さや賃金格差、家族形態の変化に合わなくなった制度のひずみがこうした事態を招いています。東京を高齢者や女性、子ども、若者、障がい者、外国人など、だれもが暮らしやすいまちへと転換することが喫緊の課題です。
小池都知事は「環境先進都市」を掲げていながら、明治神宮外苑をはじめ日比谷公園、葛西臨海水族園などの樹木に加えて、街路樹などの大量伐採を計画しています。長い間、都民が守り育ててきた緑は木陰をつくり生物多様性を保ってきましたが、さまざまな規制緩和が図られ、民間の超高層ビルや再開発を推し進めて緑が壊されようとしています。また、多摩地域を中心にひろがる地下水のPFAS汚染も都が積極的に対策に取り組むべき課題です。
国は地球温暖化対策、脱炭素社会の実現を理由に原発推進に躍起となっており、今年の秋には東京電力柏崎刈羽原子力発電所を再稼働させる動きが加速化しています。電力大消費地である東京が率先して、今こそ原発に頼らないエネルギー自立都市に方向転換しなければなりません。
小池都政のもと地震や豪雨対策として「強靭化プロジェクト」の名目で、道路や河川など過大なハード整備が次々に進められようとしており、新たな環境破壊とムダな公共事業を生む懸念があります。「東京大改革の一丁目一番地は情報公開」と公約したにもかかわらず、事業決定のプロセスに透明性も説明も足りません。徹底した情報公開と市民参加で、合意形成を図りながら、住民とともに地域の将来像を描き、必要性の議論から始める都政への転換が今まさに求められています。
混迷が続く世界情勢のなかで、多くの若者が気候危機や人権侵害、紛争に対して声をあげ行動を始めていることは、大きな希望です。東京・生活者ネットワークが、長年求めてきた子どもの権利を守り保障する条例が2021年実現しました。子ども、若者参加を確実なものとし、今後、実効性、具体性のある次世代支援策を進めていく必要があります。
東京・生活者ネットワークは、自治・分権を推し進め、足元から「生活都市・東京」をめざし、2024年東京都知事選挙に取り組みます。
生活者通信 臨時号