生活保護事務の不適正な処理(ご遺体を放置した件)について
お亡くなりになられた方に対し、謹んでご冥福をお祈りします。
8月15日(火)、生活保護事務の不適正な事案に係る外部専門家等による委員会設置の報道発表がありました。不適正な事案とは、「ご遺体を放置した」という件です。
この事案が私たち会派に報告されたのは6月30日(金)でした。報告の内容が不十分であったため、区議会への正確な経過説明を行うこと、この事案についての区の見解を説明することおよび再発防止に向けての取り組みを求めました。
私たちの会派は、全員協議会を開催すべきであると議長および議会運営委員会委員長に要望し、非公開とはなりましたが、開催が実現しました。
全員協議会では、全会派が質問しました。生活者ネットワークは、以下の観点について区の見解を求めました。
- 今回の事案は人の尊厳にかかわる問題であることを重く受け止めるべき。事態を把握した時点で、情報公開の観点から議会にも報告があってしかるべき。
- ケースワーカーが作成した起案文書の正確性。
- 組織としての検証や再発防止に向けた取り組み。
- 処分の妥当性。
- 職場環境や人間関係などの風通し。
ご遺体が放置されてしまうなどということは、あってはならない事件です。
生活保護は最後の砦です。身寄りがないため、ケースワーカーが緊急連絡先となる場合も増加していくと予想されます。高齢化が進んだ先は多死社会となります。今回のケースの反省をしっかりと生かさなくてはなりません。各案件に対して、ケースワーカー本人が客観的に進行状況を確認できること、課内でも共有ができ、チームとして対応するための管理のチェック体制を作っていくことが必要です。当事者と上司だけの問題ではなく、所管課全体、福祉部の問題といえます。また、今回の事件は、当事者や関係者だけでなく、職員全体また関係事業者へのメンタル的な影響も大きいとも考えます。今後の職員のメンタルケアについても、丁寧に行うよう要望しました。
全員協議会の後、生活保護行政への見識を深めるため、同じ会派の田村ひろしさんの呼びかけで、区議会有志の参加を募り勉強会を行いました。
社会福祉士であり、生活保護問題対策全国会議事務局次長、元世田谷区の生活保護担当である田川英信さん、
足立区議会の小椋修平さん、
弁護士の柴田勝之さんにそれぞれの立場からの見解を伺いました。
過去、生活保護行政の不適正事件を起こした自治体では、それを契機に改善をしたところもあります。
これまでの江戸川区のプレスリリースは以下の通りです。
2023年(令和5年)8月15日 生活保護業務の不適切事案に係る外部専門家等による委員会の設置についてhttps://www.city.edogawa.tokyo.jp/e004/kuseijoho/kohokocho/press/2023/08/0815-1.html
2023年(令和5年)8月15日 生活保護事務にかかる不適正事案の判明について
https://www.city.edogawa.tokyo.jp/e004/kuseijoho/kohokocho/press/2023/08/0815-2.html
2023年(令和5年)7月14日 生活保護事務の不適正な処理に係る再発防止策について
https://www.city.edogawa.tokyo.jp/e004/kuseijoho/kohokocho/press/2023/07/0714-2.html
2023年(令和5年)6月30日 生活保護事務の不適正な処理について
https://www.city.edogawa.tokyo.jp/e004/kuseijoho/kohokocho/press/2023/06/0630.html