船堀小学校学校改築中断、新たな事業者選定へ~補正予算審査で江戸川ネットが委員外発言②

 当初事業費16億5千万円のうち、区はすでに10億8500万円を支払っていますが、事業者は8億300万円を使った時点でこうした状況に陥りました。委員会での説明では、この差額について、「前払い保証保険でカバーする」とし、さらに「契約額の10%、1億6500万円も履行保障される」また、「未執行額が6億8千万円あり、今後新たな事業者による事業継続にあたり、事実上の区の負担は5千万円である」としました。 

 伊勢崎組への支払いは、このところ、出来高による部分払いが4回も行われており、異例の事態。工事は遅れており、昨年7月の時点で、事業者の経営状況悪化が伝えられてもいました。共産党からの同社の財務状況調査の質問に対し、石田総務部長は「三井住友海上の信用調査も受け、良いという判断をした」と答弁しました。しかし、本件事業の開札日は2012年2月14日、本体工事期間は同7月4日から2014年3月7日、つまり、債務超過状況が公になっていたのは工事スタートと同時です。 

「区は債務超過の把握をしていなかったのか」との質問には、「その段階になかった」と石田総務部長。これには、区長与党と言われる自民党からも「同時期に債務超過にあったことを知らないとは話にならない。解せない。民間なら担当者の責任が問われ、ボーナスも出ない。危機意識を持て」と厳しい意見が。 

 また、区が、向こう20年間で70校の改築を行うにあたり、2000億円規模の大事業となることから、地域産業活性化及び区内事業者育成を最重要視した公共調達システムを構築している点について、江戸川ネットを含め、改善を求める意見が相次ぎました。 

 船堀小学校では、3月の卒業式を新校舎で行う予定でしたが、それがかなわなくなりました。多くの問題点を抱えてはいますが、工事を遅延したままにしておくことはできず、補正予算は全会一致で可決されました。今後、区は、特命随意契約により新たな区内事業者を選定し、遅くとも5月には完成させたいとしています。 

 地元事業者優先の方針については、山崎副区長から「大手なら心配ない、大手に頼めばいい、との風潮を懸念する。地元業者が難局を切り抜ける努力をしてもらい、区はそれを支える。監視委員会や事業者とも意見交換し、いい制度にしていく」との決意が述べられました。

 今月25日には臨時議会が開かれ、同日、契約案件の審査及び議決が予定されています。