江戸川女子高放送部制作「君ハ空ニイタ」上映~第25回東京大空襲江戸川区戦災犠牲者追悼式

式典のあと、世代を結ぶ平和の像の前で献花。前列奥が新村いく子。

江戸川区では、草の根による「東京大空襲江戸川区戦災犠牲者追悼式」が25年前から、3月10日に開かれています。

毎年、江戸川区音楽祭合唱団による合唱組曲「ちいちゃんのかげおくり」や、中・高生による平和への取り組み活動が報告されていますが、今年は江戸川女子高等学校(江戸川区東小岩)の放送部が制作したドキュメンタリーも上映されました。

タイトルは『君ハ空ニイタ』。
東京大空襲で親友や家を失った日本人男性牧師と、東京に焼夷弾を投下した米軍のB29元パイロット。68年前の3月10日その時、一人は地上で惨禍に見舞われ、一人は東京上空に。大切な人を奪われた人と、奪った人、その二人が47年後、アメリカで邂逅。クリスマスパーティーで突然、「3月10日は、あなたにとってどんな日か」と聞かれた牧師が「忘れられない日。東京にいた」と答えると、相手から「私は東京の空にいた」と聞かされます。人に許しを説いてきた牧師は、その瞬間、強烈な怒りに襲われますが、憤りをぶつける前に、相手の悔恨の思いに接し、彼がそうせねばならなかったわけを知り、悪いのは奪ったその人本人ではない、と気付き、やがて強い友情で結ばれるようになる・・。 

この葛藤を、女子高校生のフィルターを通し、見事に表現した力作。一人でも多くの方に鑑賞していただきたい作品です。 これからも「東京大空襲」を大きなテーマとし、引き続き制作に取り組み、社会に発信していくとのことです。

江戸女放送局「EHK」は、 中高合わせて28人で活動中。NHK杯全国放送コンテストの常連で、今年度も高校ではテレビ&ラジオドキュメント部門、朗読部門に出場。中学ではアナウンス部門で優良賞を受賞しています。