葛西水再生センターの再生可能エネルギーの取り組みを視察~2012年12月

NaS(ナトリウム・硫黄)電池施設の説明を聞く

 昨年12月19日に、東京・生活者ネットワーク23区エリア会議主催の「地域の再生可能・自然エネルギーの活用事例研究としての葛西水再生センターの視察」に参加しました。

 葛西水再生センターは江戸川区臨海町の荒川の河口にあり、江戸川区の大部分と葛飾区の一部の下水処理を行ない、処理水を荒川に放流しています。ここでは、ポンプで下水をくみ上げた

東京都の水再生センターの中で、現在、太陽光発電設備を完備しているのは葛西のみ。

り、下水処理をして水をきれいに再生し、汚泥の水分を取り除き焼却するために膨大な電力を使用しているのです。そこで二酸化炭素削減の一環と電力料金の削減として、2001年にNaS(ナトルウム・硫黄)電池、2004年に小水力発電、2010年に太陽光発電を稼働させました。

 NaS(ナトルウム・硫黄)電池は2400k/wで、電力料金の安い夜間に充電し、この電力を昼間に利用することで年間約2500万円を削減しています。小水力発電は処理水の放流落差5mを利用し、発電出力27kwで、一般家庭20世帯分の年間発電量です。太陽光発電は固定式と一軸追尾式(15分おきに角度が変わる)の両方が設置され、発電能力490kw、年間発電量は一般家庭の約160世帯分です。もちろん、この3つの再生可能エネルギーシステムで、このセンターの利用電力をまかなえているわけではありませんが、少しでも環境に配慮していく取り組みは評価できます。

 このセンターの事業や施設は東京都のものですが、江戸川ネットでは原発や化石エネルギーに頼らないために、江戸川区内における再生可能エネルギー・自然エネルギーの活用の導入や推進のためのしくみづくりをさらに追求していきます。

(運営委員・古川久美子)