視察報告/葛西臨海公園へのカヌー競技場建設は環境破壊!環境保全と両立した開催を

2014年1月28日 19時34分 | カテゴリー: トピックス

 

生態系をよく知る専門家が理念を持って設計した「葛西臨海公園」。ここが1/3なくなれば、もっと大きなエリアの生物が影響を受ける。

 2回目開催になる東京オリンピック・パラリンピックでは、競技場などの施設整備は37会場になり、そのひとつのカヌー(スラローム)競技場が江戸川区の葛西臨海公園の西側の20ha(東京ドーム4個分)に新設される計画。

 このスラローム競技は、激流を漕ぎ、タイムと通過点の点数の合計で争われる。計画では79mの高低差のある300mの人工川に1秒間に13tの水道水を流す。そのため、プールを作り、水道水をポンプアップして循環させる。さらに観覧席が7〜9mの人工川が見えるような高さに海岸線側に設置されることになるという。

 この計画が実行されると、環境省の「日本の重要湿地500」に選定されている都内では貴重で豊かな自然が破壊される恐れがあるのではないかと東京・生活者ネットワークとして1月14日に現場視察を行い、江戸川・生活者ネットワークもその視察に参加した。この公園で活動を続ける日本野鳥の会東京代表・川沢祥三さんと、同幹事・飯田陳也さんに丁寧にガイドをしていただいた。

 葛西臨海公園は、東京で人と海が触れ合える“最後の砦”として東京都が整備し、1989年に開園。25年経った現在は、樹木91種、野草130種、野鳥226種、昆虫140種、クモ80種が生息し、渡り鳥はここで何万羽という群れが越冬しており、世界的にも誇れる湿地帯となっている。この豊かな自然は、遠浅の海、干潟、池、草原、林などが揃って、しかもそれらが連続している環境が育んでいる。この地にカヌー競技場を設置することは、この連続性を断ち、環境破壊に繋がることは想像にかたくない。東京オリンピックのコンセプトである「都心の中心で開催するコンパクトな大会」を崩すことなく、ベイエリアにオリンピック委員会の定める条件に合うカヌー競技場候補地はないわけではない。2020年の東京オリンピックは環境に配慮した開催になるよう求めていこう。   

 視察当日は風がなく比較的暖かく、鳥の声や姿をあちこちで見、聞くことができ、望遠鏡で遠浅の海にカンムリカイツガイの大群をみることもできた。まだ葛西臨海公園に行ったことのない方がいたら、ぜひ、一度この公園を訪ねてみて欲しい。豊かな自然を満喫できるはず。

江戸川・生活者ネットワーク運営委員 

古川久美子