東京都が「新しい公共の場づくりモデル事業」報告会~里川小松川自然地協議会の取り組みが高評価を

2013年8月6日 15時58分 | カテゴリー: トピックス

 

モデル事業の成果と課題を報告する里川小松川自然地協議会のメンバー。8/1、東京国際フォーラム。

 官が独占してきた領域を市民やNPOが担うことで、必要とされながらも実現しえなかったところまでをカバーし、地域の雇用を生み出すことにもつなげ、地域社会をより良いものにしていく―。生活者ネットワークは20年前から、こうした「新しい公共」の実現をめざし、「地域力・市民力 安心・共生のまちをつくる」「市民が育てる東京・未来」といったスローガンを打ち出して活動をしてきました。この政策は、2009年の民主党政権誕生時、ようやく国の重要政策として位置づけられ、2012年度から2か年、全国で「新しい公共支援事業」が展開されました。

 東京都では9区11市1町1村から、一般枠21事業、NPO等支援重点化枠10事業、震災支援枠7事業、計38事業を採択。江戸川・生活者ネットワークが里川小松川自然地協議会の一員として参画した「小松川自然地へのアダプト制度導入事業」も選ばれ、モデル事業を進めてきました。

 一級河川の管理者は国交省ですが、実質、その範囲は河川と堤防に限られ、河川敷の自然地では適正な管理がなされてきませんでした。その結果、荒川には漂着ごみの堆積、高水敷の樹林化、外来種の繁茂などの問題が生じていました。そこで、地域の住民や団体が自然に親しみつつ、小松川自然地を東京らしい里川として創造・保全していこうという取り組みを行ったものです。モデル事業の成果が実り、今年の4月には、国土交通省荒川下流河川事務所と「荒川水辺サポーター」の合意書を交わし、アダプト制度を締結することができました。これは、都内の一級河川はもとより、関東地方整備局管内においても初めてのことです。

 モデル期間は終了したとはいえ、本事業は当然持続していくべきものです。地域の川を守り育てる意識の醸成、参画の幅を広げることと同時に持続可能性を担保する新たなしくみづくりが求められます。

 そのひとつが活動資金の確保です。これについては、企業のCSR(社会的貢献)との連携が考えられ、資金支援をしていただいた場合に、サインボードでそれを広報することにより、win winの関係が築けるのではないかと考えましたが、現状のルールでは、国の管理する場所に市民がボードを設置することはできず、しかも、民間企業名やロゴを入れることも不可能です。さらに、「東京都屋外広告物条例」により、「○○会社は、このプロジェクトを応援しています」といったメッセージを掲示できないことも判明しました。企業の社会的責任の具現化は古い決まりの中では果たせません。都条例の改定をはじめ、従前のルールすべてに「新しい公共」の理念を吹き込むことが必要です。

 東京都は、昨夏、モデル事業中間報告会、本年8月1日(木)には最終報告会を実施しました。私たちの事業はいずれにも事例発表に選ばれ、昨年の「新しい公共支援事業連絡調整会議関東甲信越ブロック成果報告」においては、東京都の代表事例として唯一報告されました。こうした中、里川小松川自然地協議会は、江戸川・生活者ネットワークが生活者の立場からの提言力を発揮したことを含め、各団体の特性を活かした取り組みとして高い評価を受けました。

 政権は再交代しましたが、行政の役割はこれで終わりではないはずです。「新しい公共」を拡げ、確立するためには、共助で成しえない部分について、官は単に支えるというだけではなく、今後も最前線で関わる必要があると考えます。内閣府は、有識者による円卓会議だけでなく、多様なモデル事業に関わった当事者とともに課題を整理し、建設的な議論を行い、関係する省庁や自治体などとの調整機能を果たしていくべきです。

~ 秋のアダプト活動ご案内 ~

日時: 2013年11月17日(日)午前10時~12時30分 

場所: 小松川自然地 船堀橋上流右岸

集合: 「自由のひろば」につながる堤防上 ドーム型ベンチ前

内容: 河川清掃・生き物調査・外来種除草

 活動のあとは豚汁のお楽しみも。どなたでもお気軽にご参加ください。

 お問い合わせは、江戸川ネット事務局まで。