「江戸川区暴力団排除条例」に反対しました

第二回定例会報告

暴力団排除条例は、昨年10月東京都・沖縄県で施行されたことで、全国47都道府県すべてで発効しました。都民の自主的な取組みや各区市町村との連携が期待され23区でもすでに17区が制定しています。

 江戸川ネットは暴力団を擁護するつもりはありませんし、犯罪行為を許すものではありません。しかし、「暴力団排除」ということばに惑わされ、罪を犯していない人の人権をいかに制約できるのかという問題の本質から目をそらしてはならないと考えます。本条例に反対した主な理由は以下のとおりです。

 第1点は、憲法に定められた基本的人権の保障に合致しない部分があると考えられることです。区は、暴力団の構成員だからといって個人としての行動を制限するものではないと言いますが、その線引きは誰がどのようにするのでしょう? その人が暴力団であるかどうかの判断は警察に委ねられます。「暴力団」や「暴力団と密接な関係にある者」などの文言の定義が曖昧であり、恣意的に解釈される危険性があります。また、組員の子どもたちの人権は守られるのでしょうか。

 第2点は、区民の努力義務として、暴力団に関する情報を区や警察に提供することを定めている点についてです。通報者や協力者の安全を担保する仕組みはなく、一歩間違えれば区民の生命・財産が犠牲になる可能性もあります。暴力団だけでなく、区民までを規定の対象にする必要があるのでしょうか。本会議の議案審査報告でも、区民の安全を完全に担保できるものではないということが明言されました。これまでの「警察対暴力団」から「社会対暴力団」への転換は適切なのでしょうか。

 第3点として、警察権力の拡大、警察による自治への介入につながりかねないということです。警察が、排除すべき暴力団かどうかを決定して初めて効力を発揮する条例を区が制定すること自体疑問です。勧告及び公表される側が抗弁権を持たず、すべては警察の手の内にあります。