放射能とはなにか? 食品汚染とどうむきあうか?

「生活者通信」8月号のご案内

 政治と生活をつなぐ東京・生活者ネットワークの情報紙「生活者通信」8月号の特集は「放射能とはなにか?食品汚染とどうむきあうか?」です。解説は安斎科学・平和事務所所長で立命館大学名誉教授の安斎育郎さん。1日に江戸川区主催で行われた「放射線・放射能を正しく理解しよう」講演会と趣旨は同じですが、難しい事柄を生活のレベルに合わせて解説されており、理解しやすい内容となっています。
(講演会については、新村稲宮のHPをご覧ください。)

 安斎さんは、「放射線は少し浴びた方が体にいい」という「放射線ホルミシス」現象について、次のように解説されています。

  ショウジョウバエを、放射線を浴びせるグループと浴びせないグループに分け、ある時両方に大量の放射線を浴びせると、普段から浴びていたグループの方が生き残る割合が高いという実験結果に基づく考え。放射線を浴びてDNAが傷つけば、それを修復する酵素系が働き、緊急医療体制ができる。その体制分、生き残る割合が高くなる、ということに。

 しかし、安斎さんはこう続けます。
 「毎日少しずつ放射線を浴びた後、福島のような原発事故で大量に放射線を浴びることを前提に暮らす人などいない。この理論は、放射線の影響を過小に印象付けるために使われている。基本認識は、放射線は浴びないに越したことはない、に尽きる」

 また、確定的影響と確率的影響を宝くじになぞらえて紹介。
 一度に大量被曝した場合に起こる「確定的影響」に対し、原発事故の周辺の方々のように、少しずつだらだら浴びる場合問題になるのが「確率的影響」。たくさん買うと当たる確率が増す宝くじと同様、放射線もたくさん浴びればがんになる確率が高い。しかし、宝くじと違うのは、当選発表日が決まっておらず「生涯有効の宝くじ」で、「当選発表は賞品の発送をもって替えさせていただきます」という厄介なタイプ。放射線がん当たりくじを買わされると、他人に譲渡することもできないまま、当選通知が送られてくる不安の中で生きることを余儀なくされることに。だからやはり「浴びないに越したことはない」のだと。

 そして「食卓の放射能汚染とどうつきあうか?」「私たちがとるべき行動とは?」へと続きます。原発事故も放射能も元に戻せない以上、私たちは汚染の実態を理解した上で、賢い消費者になることが求められています。もちろん、苦難の底にある被災地の生産者たちと手を携えながら。

  ご関心のある方は、「生活者通信」8月号をぜひお読みください。お問い合わせは、江戸川ネットまで。江戸川区の図書館でもご覧いただけます。

*東京・生活者ネットワーク月刊情報紙「生活者通信」の年間購読料は1000円。江戸川ネットで受け付けています。

*江戸川・生活者ネットワーク機関紙「それゆけ!レポート」は無料で配布しています。