日韓市民社会フォーラムの報告

東アジア共同体形成に向けた日韓市民社会の役割について考える

→足温ネットの「江戸川市民立第一発電所」設置場所である寿光院(ここで民泊させていただきました)にて、
好評だった3日夜の田中優さんの講演会

10月3日から3日間に亘り「日韓市民社会フォーラム」が開催され、江戸川では、第一分科会「気候変動・エネルギー」を実施しました。

今年で6回目を迎える「日韓市民社会フォーラム」は、2002年の日韓ワールドカップ共催において、市民レベルでの交流が深まる一方で、再燃した歴史教科諸問題と小泉元首相の靖国参拝が、両国の市民社会に暗い影を落としたことを危惧する中で始まりました。東アジアの平和構築を目的に日韓両国を交互に訪問し開催され、市民団体や自治体関係者・学者などが集い、市民社会が果たす役割について議論を深めています。東京・生活者ネットワークも、実行委員会に初年度より名を連ねています。生活者ネットのメンバーとして、ソウルで開催された第3回目には、稲宮須美と藤本美保が参加し、昨年は、奈良由貴が参加し地球環境問題に対する市民の活動実践を紹介してきました。

 今年のテーマは、「気候変動・エネルギー」、「国際協力・CSR」、「まちづくり・地域再生」、「市民参加・市民自治」の4つで、それぞれの分科会が東京、埼玉の各地域に分散して開催されました。その中の、第一分科会「気候変動・エネルギー」が、「足元から地球温暖化を考える市民ネットえどがわ」(足温ネット)が受け入れ団体となり、江戸川ネットも協力団体として関わりました。昨年、ソウルで報告した環境問題に関する市民活動の実地見学も含めた企画でした。
韓国からは、環境NPOの事務局長を担っている方、大学の教授、学生、組合運動をしている方など6名、そのほかに江戸川の地域協議会関係者、東京ネットや神奈川ネットワーク運動のメンバーが参加しました。
足温ネットの事務所は、江戸川ネットをはじめ、さまざまな市民団体が共同で使っている「小松川市民ファーム」。この事務所を中心に、市民立発電所として「寿光院」「ほっと館」を、またリユースショップ「エコメッセ元気力発電所」では自然エネルギーのみで行っている夜間照明システムを、「えどがわ油田開発プロジェクト」の拠点「エコデス」では廃食用油からディーゼルオイルを作っている現場を訪問。ほかに、共同事務所の仲間である「生ごみ堆肥化実践クラブ」の取り組みを紹介したり、「江戸川清掃工場」や一之江や小松川にある「親水公園」を訪れたりと、もりだくさんの内容でした。
 活発な質問応答もあり、それぞれの現場で日韓の交流を深めた2日間、国の制度や法律・文化の違いはあっても、地球環境問題に対する市民の思いは同じです。お互いに学びあって地域活動に生かしていきたいものです。

最終日には、4つの分科会の報告から始まり、日韓両国からの基調講演や全体討議が行われました。今回の議論の中においても、歴史認識における隔たりを実感するものでした。政治的背景も関わるこうした問題こそは、そこを乗り越えられる市民が、「平和」「環境」「人権」「経済」などのテーマにおける共同体づくりを目指すことからすすめる必要があると感じました。

↓BDFを作り出している「えどがわ油田開発プロジェクト」のプラント(エコデス)見学と江戸川区の親水公園の見学