〜発達障害者支援の現場から〜

2008年6月4日 15時30分 | カテゴリー: トピックス

「東京都発達障害者支援センター」の視察報告

関東地方が梅雨入りした6月2日(月)、小雨混じりのお天気の中、世田谷の『東京都発達障害者支援センター(TOSCA)』の視察に行きました。
 センターは、小田急線千歳船橋駅から徒歩5分の閑静な住宅街の中にあります。
 平成14年『東京都発達障害者支援センター』が発足する前に、ここでは昭和41年から社会福祉法人『嬉泉』として、発達障害児・者、特に自閉症の方たちへの支援に取り組んでこられました。今も就学前のお子さんから成人まで、幅広い年代の方が通所しています。
 自閉症、アスペルガー症候群、注意欠陥多動性障害(ADHD)、学習障害(LD)などに代表される発達障害は、身体障害や知的障害と異なり、なかなか目に見えにくい障害です。そのため、学校教育の中で理解が得られにくく、「困った子」「難しい子」と見られ、親の育て方のせいにされることもありました。障害なのか性格なのかと悩むものの、公的な相談窓口が整備されておらず、多くの方が制度の谷間に置かれた状態でした。
 現在は、平成15年の「発達障害者支援法」の施行により、発達障害者支援センターが各都道府県に設置され、相談窓口となっています。このセンターは、東京都で唯一設置されたところです。
 発達障害者支援は子どもが対象になるものと考えられがちですが、センターの相談窓口には20〜30代の成人の相談者も多く半数以上を占めるそうです。高学歴にも関わらず職場でうまくいかず、自分は発達障害ではないかと悩んでいる人が多いことも現状です。
 また、発達障害の診断が可能な医療機関が少ないことや、診断されたあとの受け皿についても深刻な問題です。従来の就労支援だけでは不十分なのです。
 今、現場で必要なのは①子どもを対象とした早期発見・早期療育、②成人支援の両方であると石橋さん(支援センター主任支援員)は強調されました。発達障害者支援は、その特性に合わせてライフステージすべてに関わっていく必要があるからです。必要な時期に正しい支援が得られれば、発達障害者の方々はその実力を発揮できます。
 現在、整備されつつある特別支援教育は発達障害者支援の一部分です。今後、発達障害者支援という大きな枠で、成人支援も含めて総合的な支援策を考えていくことが必要ではないでしょうか。